経済産業省からPSE関連で販売停止命令が来た場合の対処法は?相談先と防ぐための対策を解説します

「PSEマークは貼っている」「自主検査もしている」。
それでも、ある日突然、経済産業局から連絡が入り、販売停止に追い込まれるケースがあります。

「うちは大丈夫」と思っていた事業者が、なぜ処分の対象になってしまうのか。
その多くは、制度が難しいからではなく、「対応したつもり」と「制度上求められている対応」の間にズレがあることが原因です

この記事では、経済産業省がどのような場合にPSE関連の措置を行うのか、その仕組みと対処法を解説します

PSE制度そのものについて詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく紹介しています。

この記事でわかること

・経済産業省が行う「流通後規制」の仕組み
・販売停止・回収につながる主な命令の種類
・自社が当てはまるかを確認できる3つの落とし穴
・販売停止を防ぐために確認しておきたいポイント

目次

PSEマークがあっても販売停止になることがある

PSEマークを製品に表示していても、それだけで安全とは限りません。

経済産業省は、電気用品安全法に基づき、市場に出回っている製品が本当に技術基準に適合しているかを継続的にチェックしており、基準を満たしていないと判断されれば、マークの有無にかかわらず措置の対象になります

つまり問われているのは「マークを貼っているかどうか」ではなく、「その製品が技術基準に適合していると確認した根拠があるかどうか」です。

経済産業省が行う「流通後規制」とは

電気用品安全法では、製品が市場に出た後も、国が安全性を確認できる仕組みが用意されています。これを「流通後規制」といいます。

具体的には、次の2つの方法で製品や事業者の状況が確認されます。

試買テスト(市場に出ている製品を買い上げて検査)

経済産業省は毎年、市販されている電気用品を実際に買い上げ、技術基準への適合状況や表示内容を確認する「試買テスト」を実施しています。

ネット通販の売れ筋商品も対象になりやすく、この結果は事業者への指導監督の材料にもなります。

経済産業省のサイトで確認すると、毎年数百もの試買テストを行い、その結果をレポートにまとめています
実際に経済産業省が出しているレポートを抜粋して結果も画像でお見せします。

参照:令和6年度<速報版>
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/file/09_test_buy/r6/R6denan_shibai.pdf

報告の徴収・立入検査

電気用品安全法第45条・第46条に基づき、国は届出事業者や販売事業者に対して、期限を定めて業務内容の報告を求めたり、立入検査を行ったりすることができます。

立入検査は正当な理由なく拒否・妨害することはできません。

販売停止・回収につながる主な命令(危険等防止命令とは)

流通後規制の結果、違反が確認された場合、以下のような命令が出されることがあります。

命令根拠条文内容
改善命令法第11条製造方法・輸入方法など業務の改善を命じられる
表示の禁止法第12条1年以内の期間、PSEマークの表示を禁止される
危険等防止命令法第42条の5回収など、危険の拡大を防ぐための措置を命じられる

一般に「販売停止命令」と呼ばれているのは、主にこの危険等防止命令にあたります。

法第27条(販売の制限)への違反や、技術基準に適合しない製品を販売した場合に、危険や障害の拡大を防ぐために特に必要と判断されると、この販売停止命令(危険等防止命令)が発動されます。

つまり、製品を改善しそのレポートを提出するまで販売を停止することを余儀なくされ、ビジネスに大打撃を与えることとなります

以下のページで販売停止リスク診断ができますので、気になる方はぜひ実施してみてください。

よくある「対応できているつもり」のケースについて

PSEの指導・処分を受ける事業者は、最初から何もしていなかったわけではありません。
むしろ、いくつかの対応を積み重ねた結果、「これで十分」と判断してしまっているケースがほとんどです。

3つの典型的な思考の落とし穴を紹介します。

落とし穴1:「検査した実績」と「基準に適合している証明」を混同する

国内で製造する事業者に多いのが、この混同です。

出荷のたびに製品を検査し、その記録を保管している。
ここまでやっていれば、通常の業務としては十分に見えます。
しかし、経済産業局が確認したいのは「検査をしたかどうか」ではなく、「その検査が、技術基準への適合を証明できる内容だったか」です。

技術基準に適合していなければ、それはPSE認証を取っていないのと同義です。

自主検査は、あくまで品質管理の一環として行われることが多く、必ずしも基準適合確認の要件を満たす形式・項目で実施されているとは限りません。
「毎回検査している」という事実だけでは、根拠として成立しない場合があります。

落とし穴2:海外の合格証明を日本の基準と同じものだと思い込む

輸入事業者に多いのが、このケースです。

海外の取引先から「認証を取得済み」「テスト結果もある」と提示されると、それだけで安心してしまいがちです。
しかし、海外の規格・基準に基づくテスト結果と、日本の電気用品安全法が求める基準は、必ずしも一致しません

日本独自に定められた検査項目が確認されていないテスト結果は、そのままでは日本国内での基準適合確認の根拠にはならないことがあります。
「海外で認証を取っているから大丈夫」という判断は、この違いを見落としているケースが少なくありません。

中国輸入における工場とのやり取りで注意したい点は、以下の記事で詳しく紹介しています。

落とし穴3:責任を負うのは工場ではなく輸入事業者自身だと気づいていない

輸入品の場合、「対応は工場がしてくれるもの」と考えてしまいがちですが、電気用品安全法上、日本で販売する事業者が「輸入事業者」として基準適合確認や表示の義務を負います。

工場が海外で試験を行っていたとしても、その責任を工場に転嫁することはできません。

すでに販売を終了した製品も対象になることがある

「今はもう売っていないから関係ない」と考えるのは早計です。

過去に販売していた製品であっても、その期間に技術基準への適合確認を行っていなかった場合は、後から指導・処分の対象になることがあります。

在庫がない場合でも、確認や対応を求められるケースがあるため注意が必要です。

販売停止命令が来た場合の対処法について

命令を受けた直後に取るべき初動対応、そして自社対応の限界と専門家に相談すべきタイミングまでを具体的に解説します。

販売停止命令を受けたらまず何をすべきか

命令を受けた直後にやるべきことは、感情的に慌てて対応することではなく、指摘内容を正確に整理することです。
具体的には、以下の3点を確認する必要があります。

  1. 指摘内容の把握:何が原因で不適合と判断されたのか(技術基準の未達か、書類不備か、表示不備か)
  2. 既存資料との照合:手元にあるPSEレポートや自主検査記録が、現行製品の仕様と一致しているか
  3. 対応方針の決定:再検査が必要なのか、製品自体の改善が必要なのか、資料の作り直しで済むのか

ここで対応方針を誤ると、再検査が二度手間になったり、経済産業局への説明が不十分で販売停止期間がさらに長引いたりするリスクがあります。

自社だけで対応する場合の難しさ

販売停止命令への対応は、電気用品安全法の専門知識に加え、技術基準(JIS/IEC等)の理解や、経済産業局への説明資料の作成スキルが求められます。
特に以下のような場面では、自社対応だけでは限界が出やすいのが実情です。

  • 海外工場とのやり取りで、技術資料(BOM、回路図、重要部品リストなど)をスムーズに引き出せない
  • どの技術基準が適用されるべきか、専門的な判断が必要
  • 再検査から改善資料の作成まで、社内に対応できる人員がいない

こうした状況では、専門知識を持つ代行業者に相談することで、対応のスピードと精度を大きく高めることができます。

販売停止命令からの再開まで一貫サポート「日本PSE取得代行センター」

私たち日本PSEマーク取得代行センターでは、経済産業局から販売停止命令や指摘を受けたメーカー・輸入事業者向けにもサービスを提供しています。

このサービスでは、以下のような一貫したサポートを行っています。

  • 原因の整理:指摘内容、該当する電気用品名、適用される技術基準を専門家が整理し、何が不足しているのかを明確化
  • 基準適合確認・再検査の代行:既存レポートと現行製品との差異を確認し、必要な再検査を実施
  • 技術改善のコンサルティング:製品の構造や部品に問題がある場合は、改善に向けた技術的なアドバイスやPSE適合部品の調達を支援
  • 提出資料の作成:改善方針や検査結果をまとめ、経済産業局への説明に必要な資料を整備

PSE取得支援実績をもとに、試買テストで指摘を受けたケースや、立入検査で基準適合義務違反を指摘されたケースなど、さまざまな状況に対応してきました。
海外工場とのやり取りが必要な場合も、資料請求から改善対応まで代行できる体制を整えています。

「何をどう改善すればいいか分からない」「販売停止が長引いて困っている」という方は、まず現状を整理するところから、無料相談をご利用ください。
最初の判断を誤らないことが、販売再開への一番の近道です。


販売停止を防ぐために確認しておきたいポイント

ここまでの内容を踏まえ、実際に確認しておきたいポイントを整理します。

確認項目確認する理由
基準適合確認の根拠となるテストレポートがあるか自主検査記録や「PSE対応済み」という説明だけでは不十分なため
そのレポートが日本のPSE技術基準に基づいているか海外規格ベースのレポートは根拠として不十分な場合があるため
必要な検査項目に抜け漏れがないか一部の項目が抜けていると根拠として成立しないため
極端に安価な検査サービスを利用していないか費用を抑えた検査では、必要な項目が省略されていることがあるため

自社の製品がPSE対象かどうかの判断に迷う場合は、以下の記事で詳しく紹介しています。

罰則や実際の事例について

ここまで解説した「販売停止(危険等防止命令)」に従わなかった場合、さらに重い罰則につながります。

電気用品安全法では、命令違反に対して懲役・罰金といった刑事罰が定められているほか、指導・処分の内容が公表されることによる信用低下、ECモールでの出品停止・アカウント停止といった実務上の影響も無視できません

こうした罰則の詳しい内容や、実際に大手企業を含めて公表されたリコール事例については、以下の記事で詳しく紹介しています。

今回の記事で扱った「なぜ違反になるのか」という原因側の理解とあわせて確認しておくと、より具体的な対策につながります。

PSEの販売停止命令に関するよくある質問

PSEの販売停止・危険等防止命令について、よく寄せられる質問をまとめました。

経済産業省からPSEの販売停止命令が来たら、まず何をすればいいですか?

まずは指摘内容を正確に把握し、対象製品の基準適合確認の根拠(テストレポート等)が揃っているかを確認しましょう。

根拠が不十分な場合は、必要な検査・書類の整備を進める必要があります。対応に不安がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

PSEマークを貼っていれば販売停止にはなりませんか?

マークの表示だけでは十分ではありません。

技術基準に適合していることを確認した根拠(テストレポート等)が伴っていない場合、表示があっても基準適合確認義務違反として扱われる可能性があります。

中国メーカーから受け取ったテストレポートはそのまま使えますか?

レポートが日本のPSE技術基準に基づいて作成されているか、日本独自の検査項目が含まれているかを確認する必要があります。

海外規格ベースのレポートをそのまま根拠にできるとは限りません。

すでに販売を終了した商品でも確認が必要ですか?

はい。過去に販売していた期間について、基準適合確認が行われていなかった場合は、在庫の有無にかかわらず指導や対応を求められることがあります。

立入検査は拒否できますか?

正当な理由なく拒否・妨害・忌避することはできません。拒否した場合は罰則の対象になります。

まとめ

PSEマークの表示や自主検査を行っていても、それが技術基準への適合を確認した根拠として成立していなければ、販売停止(危険等防止命令)や表示禁止などの対象になるリスクがあります。

特に、次の4つは事前に確認しておきたいポイントです。

・「検査した実績」と「基準適合確認の根拠」を混同していないか
・そのレポートが日本の技術基準に対応した内容か
・責任を負うのは工場ではなく自分自身であると理解しているか
・過去に販売していた製品についても対応済みか

自社の製品が基準適合確認の要件を満たしているか不安な方は、経済産業省から販売停止命令が来る前に、早い段階で確認しておくことが重要です。

弊社では、テストレポートの内容確認から、基準適合確認の根拠づくり、届出・表示までを一貫してサポートしています。「今の対応で本当に大丈夫か不安」という段階でも、お気軽にご相談ください。

販売停止になる前に、今の対応を確認しませんか

テストレポートの内容確認から、基準適合確認の根拠づくり、届出・表示の見直しまで、専門スタッフが分かりやすくご案内します。経済産業局から連絡が来る前に、まずはお気軽にご相談ください。

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