
PSEマークの罰則について調べているものの、
「PSEマークがないと本当に罰則があるのか」
「罰金や懲役はどこまで現実的なのか」
「販売者も責任を問われるのか」と不安に感じていませんか。
電気製品を日本で販売するうえで、PSE対応を曖昧なまま進めてしまうと、
あとから販売停止や出品停止、行政対応、信用低下といった大きな問題につながることがあります。
わたしたち、日本PSEマーク取得代行センターは、
丸形PSE認証に特化した取得代行業者として、
これまで500件以上の支援実績があります。
数多くの案件を通じて、どこで時間と費用がかかりやすいのか、
どうすれば無駄を減らして進められるのかのナレッジを蓄積してきました。
この記事では、
PSEマーク違反で問題になりやすい行為、
罰則の考え方、
販売事業者が注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、何が違反にあたるのかを整理でき、
不要なリスクを避けながら安全に販売準備を進めやすくなります。
結論として、
PSEマークの罰則を正しく理解するには、単に「罰金があるか」だけでなく、
どの行為が違反になるのかを先に押さえることが大切です。
- これから電気製品を輸入・販売したいが、PSEマーク違反のリスクが不安な方
- 「PSEマークがないと何が問題になるのか」「罰則はどこまで重いのか」を知りたい方
- 工場や仕入先から「PSE取得済み」「CE認証済み」と言われ、本当に信用してよいか判断できない方
- 販売停止や行政対応、リコールにつながる前に、何を確認すべきか整理したい方
- PSEマーク違反で問題になりやすい行為と、罰則の考え方がわかる
- CE認証や中国側の「PSE取得済み」を、そのまま信用してはいけない理由がわかる
- PSEを雑に進めた場合に、罰金だけでなくブランドや顧客資産まで傷つく理由がわかる
- 販売前に確認すべき「製品区分・表示内容・表示名義」の3つのポイントが整理できる
PSEマークの罰則を解説|違反になる行為・罰金・販売できないケースとは

「PSEマークの罰則」と聞くと、多くの事業者は「いくら払えば済むのか」「警察が来るのか」といった刑事罰を真っ先に想像します。
しかし、実務の最前線にいる私たちから言わせれば、刑事罰は数あるリスクの「氷山の一角」に過ぎません。
実際には、刑事罰が下るよりも遥か手前の段階で、
「在庫がすべてゴミになる」「ECモールから追放される」「取引先から巨額の賠償請求を受ける」といった、
事業の存続を揺るがすダメージが先に表面化します。
本稿では、PSEマークの罰則の全体像と、現場で絶対に避けるべき違反パターン、そして2026年現在の最新事情を踏まえた防衛策を徹底解説します。
第1章:PSE違反に潜む「3つの重層的リスク」
PSE(電気用品安全法)違反には、大きく分けて3つのリスクが存在します。
これらは独立しているのではなく、連鎖的に発生するのが特徴です。
刑事罰:法律による直接的な制裁
電気用品安全法の第57条〜60条に基づき、悪質な違反や命令違反には以下のペナルティが科されます。

電気用品安全法では、第57条から第60条にかけて、違反行為に対する刑事罰や罰金、過料が定められています。
たとえば、無表示での表示行為、販売禁止規定への違反、販売停止命令への違反など、重大な違反については、個人に対して1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります(第57条)。
また、届出をしない、虚偽の届出をする、検査記録を作成・保存しない、虚偽報告をする、立入検査を拒むといった行為については、30万円以下の罰金の対象となります(第58条)。
さらに重要なのが、法人に対する両罰規定です。
法人の代表者や従業員が業務に関して違反した場合、行為者本人だけでなく法人も処罰されます。特に、第57条第2号および第6号に関する違反については、法人に対して1億円以下の罰金刑が科される可能性があります(第59条)。
加えて、一定の届出義務違反や財務諸表の備置義務違反などについては、20万円以下の過料が定められています(第60条)。
条文上の数字だけを見ると、「罰金を払えば済む」と考えてしまう方もいるかもしれません。
しかし、実際に深刻なのは金額そのものだけではありません。
刑事罰や行政対応を受けた事実が残ることで、取引先・ECモール・金融機関・提携先からの信用を失い、販売停止、回収、在庫廃棄、損害賠償へと連鎖するおそれがある点です。
つまり、電気用品安全法違反のリスクは、単なる「罰金」で終わる話ではなく、事業継続そのものを揺るがす問題といえます。
行政リスク:ビジネスの強制停止
経済産業省(以下、経産省)は、違反品に対して強力な行政指導・処分を行う権限を持っています。
- 販売制限(法第27条): 適正な表示がない製品は、販売することも、販売目的で陳列することも法律で禁じられています。
- 措置命令: 違反が見つかれば、出品停止や販売停止はもちろん、既に販売した製品の回収(リコール)や改善を命じられます。
社会的・経済的リスク:プラットフォームと取引先
実務上、最も「足が早い」のがこのリスクです。
- ECモールの即時BAN: Amazonや楽天市場などのモールは、PSE違反に対して極めて厳格です。経産省の試買テスト結果や通報を受け、アカウントを即座に停止します。
- BtoB取引の解消: 家電量販店や百貨店などへの卸売を行っている場合、PSE違反は致命的な契約不履行です。全品の返品返金に加え、二度と取引ができない「出入り禁止」状態になることが珍しくありません。

出典元:Amazon Seller Centralの「電気用品安全法(PSE)」解説ページ

第2章:現場で起きやすい「違反の4大パターン」
「悪意」がなくても、知識不足ゆえに「違反者」になってしまうケースが後を絶ちません。経産省が注視している、よくある失敗例を整理します。
表示なし、または不適切な表示での販売
最も初歩的かつ致命的なのが、PSEマークそのもの、あるいは必要な表示事項が欠落しているケースです。
- クラウドファンディングの落とし穴: 「海外の工場がPSE対応済みと言っていた」という言葉を信じ、現物の表示確認をしないまま発送してしまうケース。
- 輸入者の責任: 法律上、表示の責任は海外工場ではなく「日本の輸入事業者(届出事業者)」にあります。
届出事業者ではない名義での表示
PSEマークは、単なる「マーク」ではありません。「誰が責任を負っているか」を示す社名表示とセットで初めて機能します。
- 名義の不一致: PSEマークの近接箇所には、日本国内で届出を行った事業者のフルネーム(または承認された略称)を記載しなければなりません。海外メーカー名だけの記載や、無届けの自社ロゴだけを載せるのは明確な違反です。
義務を履行しない「形式だけのマーク」
「マークさえ印刷しておけばいい」という考え方は、制度の趣旨を根本から見誤っています。
- 検査のスキップ: 製造・輸入事業者には、「事業届出」「技術基準への適合確認」「自主検査と記録の3年間保存」という一連の義務があります。
- 特定電気用品(菱形)の適合性検査: 特に危険度の高い菱形PSE対象製品については、登録検査機関による適合性検査を受け、証明書を保持していなければなりません。これを怠った表示は「虚偽の表示」とみなされます。
販売事業者の確認義務の欠如
「うちは製造も輸入もしていないから関係ない」という逃げ道はありません。
- 販売者の「表示確認責任」: 経産省は、小売業者であっても、法に基づいた表示がなされているかを確認した上で販売しなければならないと明記しています。仕入先任せにして確認を怠ると、販売停止リスクを直接負うことになります。
第3章:データが示す「不適合」の現実|約4割が基準外
経済産業省が公表した令和5年度の「試買テスト(市場の抜き打ち検査)」の結果は、電気用品安全法への対応において、多くの製品に見過ごせない不備があることを示しています。
試買テストの衝撃的な内訳
試買テストの対象となった電気用品のうち、67機種、合計190件の技術基準不適合が確認されました。
これは、対象165機種のうち約4割(40.6%)に技術基準上の不備が見つかったことを意味します。
さらに、PSEマーク等の表示に関しても16機種、合計17件の不適合が確認されました。
不適合の内訳
技術基準不適合190件のうち、最も多かったのは「表示」43件(22.6%)でした。
ここでいう「表示」は、定格電圧や定格消費電力など、表示すべき事項の未記載等を指します。

出典元:経済産業省 電気用品安全法 試買テストの結果報告 令和5年度
そのほか、主な不適合項目は次の通りです。
- 空間距離:23件(12.1%)
- 取扱説明書等:21件(11.1%)
- 部品・材料:19件(10.0%)
- 雑音の強さ:19件(10.0%)
また、PSEマーク等の表示に関する不適合17件の内訳は以下の通りです。
- PSEマークの表示が無い:10件(58.9%)
- 届出事業者名の表示が無い:7件(41.1%)
このデータが示すこと
このデータが示しているのは、違反が決して一部の特別な悪質業者だけの問題ではないということです。
実際には、表示の基本事項の漏れや、PSEマーク・届出事業者名の表示不足といった初歩的な不備だけでも、市場の抜き打ち検査で不適合と判定される現実があります。
第4章:プロが教える「違反を避けるための3つの最優先事項」
難しい法律の条文をすべて暗記する必要はありません。しかし、以下の3点だけは「経営判断」として徹底させる必要があります。
① 丸形か菱形か?「製品区分の確定」
最初の一歩を間違えると、その後の対応すべてが水の泡になります。
- 特定電気用品(菱形): ACアダプター、電線、ヒューズなど、特に危険性が高いもの。
- 特定電気用品以外の電気用品(丸形): リチウムイオン蓄電池、LED照明、調理器具など。 「丸形だから簡単だろう」という過信は禁物です。最新の試買テストでは、丸形製品において13機種もの表示不備が指摘されています。
② 表示事項の「コンプリート」
マークが付いているか、だけでなく「何が書いてあるか」を検品してください。
- 必須セット: PSEマーク、届出事業者名、定格仕様(電圧、消費電力など)。 技術基準不適合の最多原因が「表示不備」であることを考えれば、この目視確認だけでリスクの大部分をヘッジできます。
③ 「誰の名義か」の徹底追及
実務上、最も見落とされやすいのが「名義の整合性」です。
- 一致の原則: 製品に表示されている社名と、実際に経産省に届出を出している社名が1文字でも異なれば、それは「不備」となります。海外工場の名前がそのまま載っている場合、それは日本の電安法上、法的責任の所在が不明確な状態とみなされます。
第5章:海外認証と中国工場の「甘い罠」
現場で最も相談が多いのが、「海外の認証があるから、PSEは簡略化できるはずだ」という誤解です。
「CE認証」はPSEの免状ではない
ヨーロッパの安全基準であるCE認証。これを取得している工場は確かに信頼性が高いと言えますが、日本での販売においてPSEの代わりにはなりません。
- 規格の相違: 日本には日本の、欧州には欧州の「安全の考え方(規格)」があります。日本の電圧、周波数、気候、住環境を前提としたJIS規格ベースの要求事項を満たしているか。そこを確認せずに「CEがあるから大丈夫」と進めるのは、ノーガードでリングに上がるようなものです。
「中国取得のPSE」を疑うべき理由
中国の工場から「PSE対応済み」というPDFが送られてくることがあります。しかし、私たちはその「中身」を見ない限り、決して首を縦に振りません。
- レポートの欠如: 合格証(Certificate)だけで、根拠となるテストレポートが存在しないケース。
- 格安の闇: 本来、正当な検査には数十万〜数百万円のコストがかかります。それを「3万円で対応した」というような場合、そのレポートが実在の製品を正しく試験したものである可能性は極めて低いと言わざるを得ません。
第6章:2026年リコール事例|大手「ニトリ」の教訓
PSE違反の本当の怖さは、罰金ではなく「販売後の事故とリコール」にあります。これを象徴するのが、2026年2月19日に公表されたニトリの電気ケトルのリコールです。

事例の概要
- 対象: ニトリホールディングスの電気ケトル 12,600台。
- 不具合: ふたが閉まりきっていないと電源が自動オフにならず、底面が外れたりふたが飛んだりして熱湯が噴出する恐れ。
- 対応: 回収・交換、または返金。
なぜこの事例が重要なのか
- 有名企業でも防げない: 電気製品の安全リスクは、無名の格安品だけの問題ではありません。大手でもリコールは発生します。
- コストの甚大さ: 12,600台の回収・返金。これにかかる物流費、人件費、そして「ニトリの製品でやけどをするかもしれない」というブランドイメージの毀損は、100万円の罰金など比較にならないほどの損失です。
- 「とりあえず」の代償: PSE対応を「とりあえず売るための書類作業」と捉えていると、こうした物理的な不具合を未然に防ぐチャンスを逃します。
PSEは「事業を守るための土台」である
PSEマークの罰則を理解する上で最も大切なのは、「罰金をいくら払うか」を計算することではありません。 **「どんな状態だと、自分のビジネスが止まるのか」を把握し、その前段階でミスを潰すことで
不備が見つかってから「中国の工場に騙された」「知らなかった」と言っても、
経産省もAmazonも助けてはくれません。
逆に、正しい手順でPSE対応を完了させているということは、万が一の事態が起きた際、
自社が法的な義務を尽くしていたことを証明する最大の防御壁となります。
PSE対応は、単なる法令遵守ではありません。
- 顧客を守る。
- ブランドを守る。
- そして、事業そのものを守る。
そのための「投資」であり、「保険」であると私たちは考えています。
「とりあえずマークだけ付いていればいい」という発想を捨て、
今一度、手元の製品のラベルと書類を見直してみてください。
その一歩が、数年後の大きなトラブルを防ぐ唯一の道です。
よくある質問
- PSEマークがない商品を販売すると、すぐに逮捕されますか?
-
必ずしも直ちに逮捕されるわけではありません。ただし、PSE対象製品に必要な表示がないまま販売・陳列すると、電気用品安全法違反に該当するおそれがあります。実務上は、先に販売停止、出品停止、是正要求などの形で問題化することも多いです。
- PSEマーク違反の罰則にはどのようなものがありますか?
-
違反内容によって異なりますが、懲役や罰金の対象になる場合があります。また、実務では刑事罰だけでなく、販売停止、回収対応、行政指導、信用低下といった影響のほうが大きくなることも少なくありません。
- CE認証を取っていれば、日本でそのまま販売できますか?
-
いいえ、CE認証があっても日本でそのままPSE対応の代わりにはなりません。PSEは、日本で販売され、日本の気候や住環境で使用される不十分なことがあります。「取得済み」と言われても、書類名だけで判断せず、内容まで確認することが大切です。
- PSEマークさえ付いていれば問題ありませんか?
-
A. いいえ。大切なのは、マークが付いていることだけではなく、必要な表示事項が揃っているか、届出事業者名が適切か、前提となる手続きや確認が済んでいるかです。見た目だけ整っていても、実態が伴っていなければ安心できません。
- 丸形PSEと菱形PSEは何が違うのですか?
-
菱形PSEは「特定電気用品」、丸形PSEは「特定電気用品以外の電気用品」です。対象製品の区分によって、必要な手続きや確認の流れが異なります。最初にこの区分を間違えると、その後の表示や書類の整理までずれてしまうため、販売前の確認が非常に重要です。
- 販売事業者でもPSE確認は必要ですか?
-
はい、必要です。自社が製造者や輸入者でなくても、販売する以上は、法に基づく表示が適切かを確認することが重要です。仕入先や工場の説明だけを鵜呑みにせず、自社でも最低限の確認を行うべきです。
- 有名な検査機関の名前が入った書類なら安心ですか?
-
それだけでは安心できません。大切なのは機関名ではなく、その書類に何が書かれているかです。どの規格で、どの型番を、どう試験したのか、日本で販売するための根拠として十分かまで確認しないと、実務では不十分な場合があります。
- PSE対応に不安がある場合、販売前に何を確認すればよいですか?
-
まずは、①その製品が丸形PSEか菱形PSEか、②必要な表示事項が揃っているか、③届出事業者名義に問題がないか、の3点を確認することが重要です。この基本を押さえるだけでも、違反や手戻りのリスクは大きく下げられます。

何を確認すべきか分からない段階でも大丈夫です。
製品確認から必要書類、工場とのやり取りまで、分かりやすくご案内します。
